「男鹿のナマハゲ」のような「来訪神行事」は日本全国に分布していて、特に日本海側に多く伝わっている・・・ということは、男鹿ブロでも何度か お話ししてきましたが、男鹿から ずーっと まっすぐ東に行ったところ、太平洋側にある岩手県 九戸郡 野田村(のだむら)というところにも「なもみ」というナマハゲに よく似た行事が伝わっているのだそうです。「なもみ」・・・?って もしかして男鹿と同じように「冬に なまけてばかりで働きもせずに火に あたっているとできる火斑」のコトですか?と聞いてみたところ、ヤッパリそうなんですって!しかも、「なもみ」が刃物を持って こらしめにくる。というトコロまで一緒!ただし「なもみ」は大晦日ではなく小正月の1月15日にやってくるそうです。

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そんな野田村の「なもみ」行事は、過去に一度 過疎化などが原因で廃れてしまったそうなんですが、約30年前に野田村の青年会などが「男鹿のナマハゲ」を参考に「なもみ」を復活させたのです!しかし東日本大震災による津波の被害で衣装などが すべて流されてしまい、このたび要請を受けた男鹿市が、衣装と男鹿市の彫り師さんが彫った「なもみ」の お面をプレゼントすることになりました~

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野田村の人たち喜んでくれるかな・・・?わたしも「なもみ」見たいな・・・。というコトで、「なもみ」の面と衣装が入った段ボールの中に紛れて一緒に野田村に ついて行っちゃうことにしました♪

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潜入に成功し、道の駅のだ&観光物産館「ぱあぷる」に到着したのが13時30分。

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ココは道の駅と鉄道の駅が併設されているホントの駅でした。レストランにも付いている「ぱあぷる」という名前は、野田の海岸で見つけることができる あずき色(=紫)の石が由来なんですって!レストランで情報収集?したかぎりでは、塩・リンゴ・ドングリなどが野田名物のようです。

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野田村のマンホール。この「のんちゃん」というキャラクターを随所で みかけました。帽子かぶってます。のんちゃんは安家川(あっかがわ)うまれのサケの稚魚なんですって!稚魚だから栄養の入った袋で おなかポッコリなんですねー。鮭も獲れるのかな?

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14時30分。愛宕神社 前 参道。
実は この日は愛宕神社 例大祭 野田まつり【お通り】の日でして、この野田まつりの中で衣装贈呈セレモニーと なまはげ太鼓の演奏が行われるのです。

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大きくて立派な鳥居ですね~!よく見ると 鳥居に傷が付いています。参道の前に立ち並んでいた お家が津波で流されて、この鳥居で せき止められたときに付いた傷なんですって・・・。

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でも野田村の人は みんな とっても元気でした。お神輿を担いで歩く男衆も「おーら!せいや!」と とても勇ましい掛け声を出していました。

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着飾った女の子達に先導されて やってきた山車。巨大です。津波の難を逃れた一台です。

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仮設店舗のなか。野田村さんにプレゼントする「なもみ面」を持って待機するナマハゲさん。

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15時30分。男鹿市長から野田村長さんへ、なもみ面の贈呈。

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野田村長さんと男鹿市長さんが持っているのが「なもみ面」脇に立っているのが「男鹿のナマハゲ」です。

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男鹿市長あいさつ「みなさん こんにちは!秋田県の男鹿市から参りました。いま、野田村長に お渡ししたのは、あくまでも「なもみ」の お面と衣装です。男鹿市の「ナマハゲ」と、野田村の「なもみ」は共通点もありますが、それぞれ お互いの「文化」です。ぜひこの「なもみ」の面に野田村の みなさんが「想い」を込めて「魂」を入れていただきたいと思います。また、この機会に野田村の皆さんと男鹿市との交流が深まりますことを期待しています。」と最後に野田まつりの大盛況を祈念して締めくくりました。

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野田村の小田村長さんより「これから、この衣装を使って地域の安全安心・五穀豊穣そして震災からの復興を、一丸となって頑張っていきたい。ありがとうございました。」と たいへん喜んでいただきましたー

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15時45分。なまはげ太鼓 演奏

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男鹿の神の使いナマハゲさんが、野田村の幸せを願って「真山おろし」を演奏いたします!縁起もの?ですので、とくと ご覧下さい!

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野田村の「なもみ」にも赤面と青面がありますが、男鹿のように持ち物の違いは無いそうです。両方 刃物。1月15日の夕方に集まり、神棚に安全を祈願して家々を回る。人々は草笛のような音で なもみの訪れを知る。家の戸口などを叩き大きな音を出して悪霊を払い、人々を いましめる。酒を振る舞われて山に帰る・・・など、ホントにナマハゲとの類似点が多いです。近所の おじいさんによると、なもみの衣装はモウチョット布地が多めなんだとか。なもみは一度帰ったと見せかけて再び顔を出すこともあるんですって!宮古市から北は「なもみ」。南は「スネカ」と、呼び方が変わります。

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子供たちは「なもみ慣れ」しているのかスグになついてくれました。「ほんとに秋田から来たの?」なんて質問する子も・・・。

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復興元年!ということもあり、野田まつりも、 野田村の皆さんも、とっても活気があって若い人の活躍が目立っていました。プレゼントに来たつもりが、なんだか かえって元気を分けてもらった気分です。これからも地域を、文化を大事にして、お互いに頑張っていきましょう!

240824男鹿のナマハゲ、野田村で大暴れ!
小正月の訪問者