男鹿市立北陽小学校 4年生の みなさんが、一ノ目潟・滝ノ頭・・・男鹿の水源地2ヶ所を見学に行くというので。同行させていただきました。この校外学習を通して、わたしたちの ふるさと・男鹿が いかに水源に恵まれているか、生活用水の供給の仕組み、水の大切さを学びます。

20120711_0.jpg

まずは みんなが暮らす北浦本町・西水口・野村・相川・湯ノ尻・湯本・西黒沢・戸賀地区へと水を供給している一ノ目潟へと やってきました。普段は みんなの飲料水になる大事な お水ですので、普段は立ち入り出来ません。

20120711_1.jpg

一ノ目潟 取水塔

20120711_2.jpg

川から水を引くための隧道

20120711_13.jpg

雨水や、隧道や沢から流れ込んできた水が一ノ目潟に たまります。この水を砂や砂利で越してゴミなどを取り除き、キレイに浄化されたあと、みなさんの お家に届けられます。

20120711_18.jpg

みんなからの質問に 答えていただきました-
Q.1時間にどのくらいの水が出ているんですが?
A.平均100㌧弱くらいです。
Q.一ノ目潟の水は急に減ったりしないんですか?
A.農業用水としても使われているので、今の時期は天候によって増えたり減ったりしますが、夏場は水を使う機会も増えるので、どうしても水位が下がります。水を大事に使ってくださいね。
Q.取水塔の機械が壊れたら どうなりますか?
A.すぐに修理します。電気で動いているので、地震などで停電があった時などは自家発電器で機械を動かします。
Q.生き物はいますか?
A.一ノ目潟にはブラックバスが いますが、バスは もともと ここに住んでいる お魚を食べてしまう困ったお魚なので、時々 除去しています。
Q.一ノ目潟の水は どこから来ていますか?
A.山に囲まれているので、雨水などが まわりの土地に沁みこみ、沢から流れ出てきます。
Q.水道料金は何に使われますか?
A.浄水場の維持管理にかかる電気代や、ポンプなどの装置に使われます。

続いて五里合・男鹿中・船川・脇本・船越・若美など多くの地区に水を供給している滝ノ頭(たきのがしら)水源・浄水場へ。

20120711_19.jpg

雪解け水や雨水が、寒風山地下に沁み込み、火山岩の隙間を とおって20年以上かけて自然に濾過されて地上に湧き出てきます。大雨が降っても水が濁ることは ほとんど ないそうです。水温は年間通して だいたい11~13℃と とても安定しています。滝ノ頭水源から1日に湧き出る水の量は季節によって変わりますが、だいたい平均2万4千㎥。学校のプール50~60杯分の量が湧き出ているんですって!

20120711_20.jpg

滝ノ頭浄水場は平成13年11月から稼働し、一日に最大9900㌧の水を処理することが出来ますが、現在は一日平均 約8000㌧弱の水を処理しています。浄水場に いかない分の水は田んぼへ流れて農業用水として使われます。滝ノ頭のキレイなお水で育っているから、男鹿の お米は 美味しいんですね!男鹿市全体で12,000㌧の水を一日に使用していますが、そのうち約8000㌧を この滝ノ頭で まかなっています。

20120711_21.jpg

まだ何も手を加えていない水を一口だけ飲ませてもらいました。

20120711_22.jpg

「美味しいー」「お家の水と違う味がする」と、みんな さすが いつも美味しい お水を飲んでいるだけあって舌は確かですね!この お水は浄水場外の給水スポットでも汲むことが出来ますが、生水ですので必ず沸騰させてから お飲みくださいね!

20120711_8.jpg

ため池の深さは3mほど。ときおりマガモが泳いでいたり、アオサギが飛んでいるのを見かけることが あります。

20120711_23.jpg

円形分水口。滝ノ頭水源から流れる水が、真中の円の部分にわき出ています。

20120711_24.jpg

数か所に、均等に水を分けるため、円の周りには38か所の穴があいていました。こんもりと盛り上がった真ん中の水は浄水場へ、左側は農業用水、右側は若美浄水場へと水が流れるようになっています。

20120711_3.jpg

浄水場の中で、ゴミを固める凝集剤という薬品を入れてからグルグルと掻き混ぜて目に見えない小さなゴミを沈めたり、砂や砂利を敷き詰めた「ろ過器」で水を ろ過してから塩素を入れて消毒するという作業の一連の流れを説明していただきました。

20120711_4.jpg

滝ノ頭の水の濁りを計測する「原水濁度計(げんすいだくどけい)」と、ろ過後の水の濁りを調べる「浄水濁度計(じょうすいだくどけい)」原水の濁りが0.25度なのに対して、浄水の濁りは0.05度でした。きれいになったのが数値でわかるんですね。一番右側は残留塩素計です。そきほど消毒に使った塩素の残留値が表示されています。

20120711_5.jpg

操作盤。水を作る量や塩素の量を調整。「自動販売機の中みたーい」

20120711_7.jpg

急速ろ過池の模型。

20120711_6.jpg

ろ過用の砂を直に触らせてもらって、触感や匂いを確かめます。さわったかんじは「米みたい」なんですって!

20120711_9.jpg

寒風山周辺の湧水地点が鷹の目目線で見渡せる、滝ノ頭周辺のジオラマなどを自由に見て回ります。滝ノ頭浄水場は事前に連絡すれば見学可能ですので、自分たちが普段飲んでいる お水が どんなふうにして各家庭に行き届くのか、ご覧になったことのない方は是非 見学してみては いかがでしょうか?

20120711_10.jpg

さて、水源について、最後の質問タイム!
Q.滝ノ頭の水のかさが増えすぎたら どうするんですか?
A.バルブの調整をして、下の方に流すようにします。あふれることは まずありません。
Q.わたしたちにできることはありますか?
A.今、節電が叫ばれていますが、浄水場も電気で動いています。水を無駄遣いすると当然 浄水場にも負担がかかって電気代が かかりますので、水を出しっぱなしにしないよう心掛けていただきたいと思います。
Q.仕事で一番大変なのは どんなことですか?
A.私たちの仕事は、安全で安心に、安定的に水を供給することです。災害などで電気が使えなくなると、滝ノ頭浄水場や北浦浄水場は自家発電があるので大丈夫ですが、ほかの小さな浄水場は自家発電がないので大変です。
Q.ここで働いている人は何人いますか?
A.ここには毎日、1年間、365日とおして常時 必ず1名は いて、管理をしています。
「ひとりだけー?」と驚く声も上がりました。わたしたちの くらしを守るために、いつも、どんな時でも、誰かが 浄水場を管理してくれているんですね。

今日は、みんなが普段 飲んでいる一ノ目潟の お水と、滝ノ頭の お水が とても きれいであること、その「きれい」を守るために一生懸命 働いてくれている人がいるということを学ぶことができました。企業局の おにいさんに「ありがとうございました!」と 大きな声で お礼を言って おわかれ。

20120711_11.jpg

持ってきたペットボトルに滝ノ頭のお水を汲んで帰りましょう!

20120711_12.jpg

あれ?浄水場入口の左わきに なにやら巣箱のようなものが・・・ちょっと中を見てみようか。

20120711_14.jpg


そういえば さっき ため池の まわりを歩いた時、途中でクレソンを栽培しているのを見つけました。きっと、あの滝の頭クレソンを ここで販売しているんですね。

20120711_15.jpg

もうすこし お天気が良かったら寒風山で お昼ごはんの予定だったんですが、ちょっと風が強くて寒いので、少しだけ遊んで行くことにしました。

20120711_16.jpg
寒風山から みんなが住んでる北浦方面が見えるよ!「ヤッホー!」
寒風山の芝生の下には今日の雨も じんわりと しみ込んで、火山岩の隙間を とおって ろ過され、やがて、20年の のちに再び滝ノ頭から湧水として湧き出てくるんですよね。水は めぐるんです。だからこそ、わたしたちは水を大事に つかって、20年後もキレイな水を飲むために、まわりの自然環境を守っていかなくてはなりません。今日は男鹿の子供たちと一緒に、男鹿が いかに水資源に恵まれているかを学び直すことが出来ました。いつか大人になった時、今度は みんなが子供達に男鹿の恵みを語り継いでくれたらいいな。これからもずーっと男鹿を大好きでいてほしいと思います。