海の日や、船川港築港100周年など、7月は海のイメージが強い月ですね。
今回は先日 遊覧船で めぐった西海岸の景観とともに「男鹿の島風」を お届けしま~す!
塩戸
文化七年(一八一〇)七月十三日 塩戸の浦でえぐり舟に乗り、凧揚げを見る
凧旗という凧を戸賀・浜塩谷・浜中の部落で、漁師の子供達が舟に乗り、糸に繋いで揚げるが、それが潮風に吹かれていた。
加茂青砂
文化七年(一八一〇)七月十三・十四日 加茂青砂で盆踊り、盆の行事などを見て、舟で島めくりをし門前に行く
夕ぐれて、加茂と青砂の女、男が入り混じって地蔵堂の前に群れ集まって踊る。笛、鼓のはやし声は、波の音に乱れあって、浜風も吹いている。
山の上から見た加茂青砂漁港
海の上から見た 加茂青砂
白糸の滝
文化七年(一八一〇)七月十七日 加茂の與市という宿から まるき舟に乗り、白糸の滝を見る。
風あらき 磯のしら糸 滝かたみ 波のよるひる かけてみたれん
こう暑いと滝とか涼しげなものを見に行きたくなっちゃいますよねー!しかもゴツゴツした岩を つたって、幾重にも折り返し、白く細い滝が海に流れ込むトコロなんて そうそうナイですからね!山・湖・滝・川・海・・・自然 豊かな男鹿を訪れたからには是非とも見ておきたい景色の一つが、ココ白糸の滝です。男鹿の西海岸は特にニンゲンが手を加えなくても・・・いいえ、手を加えないからこそ、土と風と波が造り上げた奇異で不思議な自然のままの造形が際立って、驚嘆するほどの ありさまを たっくさん見るコトができます。
船から見た白糸の滝
まるき舟なら もっと 岸に近づいて見ることも可能だったのでしょうね!
大棧橋
文化七年(一八一〇)七月十七日 加茂の與市という宿からまるき舟に乗り、大棧橋を見る。その形が石橋のようで、山橋とも呼ぶそうだ。むしろの帆を掛けながら、入ってくる舟もある。この石橋の上を一本歯の下駄を履いて、渡った盲人がいたという話がある。
大棧橋とは こういうものだーと、当然のように思ってましたけど、改めて見ると なんて奇妙なんでしょう!よくぞ こんなにウマく橋のカタチに削ってくれたものです!しかも遊覧船が くぐれるほど大きいんですよ!? びっくりしちゃう!!
蝙蝠の窟
文化七年(一八一〇)七月十七日 加茂の與市という宿から まるき舟に乗り、蝙蝠の窟を見る。
蝙蝠の窟に漕ぎ寄せて、柁で船端をたたくと、その音に驚いて蝙蝠がむらむらと出てくるが、この中には五色の蝙蝠がいるという。それで五色の蝙蝠が五頭の鬼となったという伝説があるのだろうか。
県指定の天然記念物!?コウモリが洞窟の天井にビッシリ張り付いているんですって!そういえば子供のころキャンプで男鹿の西海岸に泊まった時、夜に星を眺めていると蝙蝠が飛んでいるのが見えましたー。五色の蝙蝠・・・はわかりませんが、西海岸はニホンユビナガコウモリ最北の越冬地・ニホンキクガシラコウモリの生息地に なっているそうですよ!
椿の白岩
文化七年(一八一〇)七月十八日 椿の浦に至り、「椿の白岩」を見る。
椿の浦に近づくと、二十尋ばかりの白く高い岩があった。名は「椿の白岩」という。
見た目も名前も白いですが、緑色凝灰岩(グリーンタフ)といって、館山崎にある緑色の岩と同
じ岩なんですってー!不思議!!船川港双六館山から この「椿の白岩」を見ると、観音様に見えるんですよね~もう見に行きましたか?
何百年も前から、風化しない驚きを与え続けてくれる特異な風景を、男鹿の島風に乗せてお送りしました。