地質好きの皆さん、おまっとさんでした!

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5月27日(金)男鹿市総合体育館 会議室で開催された観光提案力強化セミナー「ジオパークで観光誘客」に参加してきました~!ジオパーク???で観光誘客?恥ずかしながら地質学って あんまり なじみが無いんですが、「ジオパークを広めていきましょー!」という機運が高まる今、男鹿のことを男鹿人が知らないままではマズいので、ジオパークってナニ!?男鹿がジオパークに認定されたらどうなるの!? と いうコトを お勉強しに来たわけです。

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講師は産業技術総合研究所フェロー・加藤 碵一(かとう ひろかず) 氏

男鹿半島・大潟ジオパーク推進協議会は日本ジオパーク ネットワーク(JGN)に加盟を申請。参加を認められて活動が評価されれば、世界ジオパーク ネットワーク(GGN)の申請候補にも選定されるかもしれないんです。

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まぁ、なんだか むずかしそうですけど、ジオって意外と わたしたちのスグそばにあるもの なのかもしれません。それこそ、空気みたいに。ジオとは、わたしたちが暮らす足もとの大地。生物(バイオ)は大地(ジオ)の上に成り立つ。両者は深く繋がっている。今いる この地について知ること、いえ、知ってはいるんです。ここに ありますから。でも 当たり前すぎて関心を持てなかった。それを お勉強・・・というか、タビノヒト(外から来た人、の意)の視点で見つめ直してみようと思います。

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男鹿は地質家さんにとって とっても魅力があって、まだ日本列島が大陸の一部で 日本海がまだなかった9000万年前の地層から、ほぼ現在のカタチになった1万2千年前までの一連の地層がイッキに見れる貴重なトコロなんですって!専門家にとって「男鹿を知らないのはモグリ」というほどなんだとか!?
そんなに貴重なら「男鹿をジオパークに!」という動きが高まるのも当然なのかもしれませんね。

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まずは世界遺産とジオパークの違いから。
世界遺産は⇒保護を重視しているので=イロイロと勝手に変えちゃいけないんですが、
ジオパークは⇒保護と活用 両方重視されるのだそうです。
参加者さんから「男鹿名物の石焼料理には西海岸の石が使われていますが、ジオパークに認定されたら石焼用の石を採取できなくなるのでしょうか?」「川から流れてきたキレイな石を拾って持ち帰るのは いけないことなんですか?」という質問があったんですが、世界遺産とちがってジオパークは採取は ある程度ならOKですが、拾った石を別の場所に放置するのはNG。それは、後の人が「ココにあるハズのない石を発見した!大発見だー!!」・・・となるとイケナイから、なんだそうです。

それにしても、何億年も前の岩石のことが、または その岩石が何億年も前のものだということが どうしてわかるんでしょ?

地下深くのことは直接見れないので、地面を掘って地球の磁場を研究すると地下のことがわかるんだそうです。
わたしたちは掘らなくても一連の地層の歴史を男鹿の各地で観察することができます。


たとえば男鹿半島で最も古い地層は9000万年前の花こう岩です。その上に およそ5000万年前の噴火でできた赤島層が重なっていて、コレは入道崎で見ることができます。ココでは花こう岩の中に玄武岩が入り込んで、俵を転がした跡のように見える「鬼のタッコ」を観察できます。

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ほかにも潮瀬ノ岬砂レキ岩と呼ばれる3300万年前の門前層は潮瀬崎で、2000万年前の台島層、1500万年前の西黒沢層は北浦の西黒沢、1000万年前の女川層は鵜ノ崎海岸、50~9万年前の安田(あんでん)海岸の火山灰層、8~2万年前の目潟火山群は一ノ目潟・二ノ目潟・三ノ目潟で見ることができます。

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鬼の隠れ里も実は地下で固まりかけた溶岩が地上に押し上げられて出来たものなんですって!鬼が積んだんじゃなかったのか・・・。でも、昔の人は こんなふうに出来た過程の わからない地層や岩石に様々な伝説を結びつけて語り継いできたんですよね~。西海岸の奇岩の多くには名前が付いていたり、ジオはずーっと昔から男鹿人の暮らしと深く関わってきたんです。

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多くの歌人や俳人も男鹿を訪れた際に地層や岩について記しています。入道崎の水島と鹿落とし、椿の白岩、舞台島、孔雀の窟、大桟橋、本山も!?とにかく男鹿の自然の その多くが貴重なジオスポットなのです!むかしっから注目されていたんですねぇ~。トレッキング時のミドコロ再発見!ですね♪

魚の化石や、岩石に残った生物の痕跡も見つかっていますし、そのうち男鹿でもジオにまつわる お土産ができちゃったりするかもしれませんね~!遊んで学べるジオスポットめぐりのツアーは すでに3回?「おらほのジオサイト見学会」も3回、実施されているそうです!これからも開催の予定ですのでゼヒゼヒ参加してみてくださいな

今回のセミナーの切り口は「観光誘客」でしたけど、ジオを知ることは災害リスクの軽減にも役立つんだそうですよ!

ジオを知ること、それは 男鹿の大地の歴史を知ること。火山噴火、地震、津波、雨後の土砂災害。男鹿が経験してきた自然災害の痕跡を知ること。日本は火山も地震も多くある災害列島なんだから地質にも関心を持って、住んでいる土地の特徴を知ることが大事。それは、防災の教訓として、これからの災害対策にも活用できるはずなんです。

男鹿は災害や地殻変動の生々しい痕跡と記憶が残っています。でも悪いことばっかりじゃなくって、温泉や溶岩流からの湧水そして珍しい景観といった恩恵もたっぷり受けているわけです。

・・・というのがセミナーで お勉強した大まかな内容なんですが、つまりは、ジオは今の時点でも十分私たちの生活に密接しているけれど、もっと知れば観光客の方に観光スポットの詳細や由来について質問されても困りませんし、災害対策にも役立ってイイコトづくめ!なんですねぇ~。みんなで一緒に男鹿ジオサイトめぐり、はじめてみませんか?

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加藤先生ありがとうございました!

次回は「ジオを学ぼう!【フィールド編】」を お届けしま~す!