もう半月もすれば お正月ですね。
ハタハタも獲れていることですし、そろそろ お正月用のハタハタ寿司も漬けなくちゃいけないんじゃありませんか?奥さん。
お正月の過ごし方について話していて、「ウチは正月2日に「とろろまま(とろろかけごはん)」を食べます」と告白したところ、多くの人は「んだんだ!」と同調してくれたのに、秋田市出身の若い世代は「そうなの?」という反応でした。
あれ?とろろまま食べるの男鹿だけ??
そんなわけで、秋ごろから いろんなトコロで男鹿の食について聞き込み調査をしてきた結果を、今こそ発表したいと思います。
お家によって違うことも当然あるので、「ウチもだ!」とか「違う!ウチは こうだ」という ご意見を お待ちしております。
まず、12月28日か30日の「9の付かない日」に お餅を つきます。
ついた お餅は 重ねてミカン(ダイダイ)を乗せ、お仏壇や神棚に供えます。
「家紋をデザインして餅を重ねるのが代々の習わし」という家も ありました。
先祖に供えるため、丸く整えられた餅
正月飾り・ナマハゲ面の修理・新しいケデ(ナマハゲの衣装)を作るなど、やることがイッパイです。
雪かきもしなくちゃいけないし、お母さんたちは正月の ごちそうの用意もしないといけないし・・・。
31日には「ナマハゲ」が家に やってきます。
この日は早めに夕飯と入浴を済ませ、ナマハゲの来訪を待ちます。
むかしむかしは「天井の粟穂かざり」「年とりの臼伏せ」といったものも行われていたようですが、今は ほとんど行われません。
ナマハゲを もてなし、悪霊払いと一家の幸せを祈願してもらった後は、部屋に落ちたワラを一晩そのままにしておき、翌日 子供に「頭 良くなるどー」などと言って頭に巻いてやります。
31日は 年越しそばも食べますね。
正月の ごちそうは一般的な おせち(例:豆・マメになるように(男鹿では「元気でいる」ことを「マメでいる」とも言います))なども食べますが家によって特色があるようです。
伝統的なものとしては「ハタハタ(寿司・焼・煮)」「ごんぼ の でんぶ(ゴボウのキンピラのようなもの。パターン1.細かく刻む、ニボシ、干しシイタケ、真タラの子、ナンバ(輪切りの唐辛子)を入れる。パターン2.太く切る(太いゴボウを4等分くらい)ニボシ、ナンバを入れる。干しシイタケ、真タラの子は入れない・・・など地域や家庭によって様々)」「つゆこ餅」などが あげられます。
「つゆこ餅」は、鶏肉・ごぼう・きのこ・餅などが入った汁なんですが、仕上げに入れる生姜がカンジンです。キリタンポの お餅版?みたいな。
「毎年つゆこ餅ばり食べ過ぎで、オラの家だば「あんこ餅」だー」という家も ありました。
初売りに行くと宣言すると、おばあちゃんに くしぇ顔されます「盆だの正月だの出かけるもんでね!」って!
むかしは、普段「早く寝なさい」と言われる子供たちも、年越しの夜だけは起きて家に籠り、新しい神を迎えるのが習わしであったためと思われます。
初詣や本家への挨拶に出かけるのは おばあちゃん的にもOKです。
逆に本家は おもてなしの準備で大忙しです。
御馳走を食べすぎた お腹をいたわるため、2日には「とろろまま」を用意します。長芋をすりおろし、出汁を混ぜたものを ゴハンに乗せ、仏壇に供えます。家族でいただくのは その後。
7日は七草粥。11日には鏡開き・・・と、このあたりは一般的ですね。
年末の男鹿は、「ナマハゲ」の準備にくわえ、「年越し」の準備で どこの家もタイヘンです。そのためか、省略されたり、すたれてしまったものも ありますが、こうして いろんな人に お話を聞いてみると、まだまだ「男鹿らしさ」を感じることが出来る風習が たくさん残っていますね!
ハタハタ、12日「山の神(やまのがみ)の おやき」、正月「つゆこ餅」「でんぶ」、2日「とろろまま」、7日「七草粥」など まずは食卓から、家族が集まる お正月に もういちど男鹿の文化を見つめなおしてみては いかがでしょうかー?