若美ふるさと資料館なる、チョット知名度は低いけれどスバラシイ施設がある!というのでウワサのほどを確認に来ました~!
この資料館には、ちょっと昔の暮らしぶりがわかるものから、大昔の出土品まで、さまざまな資料が展示されております。
男鹿市野石申川に申川油田があるのは ごぞんじでしたか?
いままでジオの ご紹介で「男鹿では9000万年前からの地層を いくつも見ることができるんですよ」という お話を何度かいたしましたが、申川地区にも潟西層・天徳寺層・船川層・女川層‥という地層が地下にあり、地下深くから多くの石油が採掘されたのです。
地下から発見されたものは石油だけではありませんでした。角間崎からは民家のスグ側で貝殻が多く発見されたのです!
貝殻が見つかった潟西層は約10万年前の地層ですので、そのころ男鹿は島のカタチになってきたころで、角間崎あたりはまだ海だったんですねー。
2万年前、人々は石を砕いて砥ぎ、矢じりを作って木の棒に据え付け、その弓矢でナウマン象やシカを獲物に狩りをしていました。なんと男鹿にもナウマン象のような大きな動物が生息していたのです!
時代を進めます。1200年前(弥生時代ですが、いままでの「○万年前」なんていう単位から考えたら、ほんの ちょっと前に感じますね)人々は窯(かま)を作って土器を焼いていたのだそうです。
出土した土器がコチラー!わぁ、パズルみたい!こういうの一度修復してみたいですねぇ~♪ちゃんと高台(焼き物の底の部分。器を支える台)も あるんですよ~。いい仕事してます。
炭化した お米=炭化米も みつかっています
時代はググッと江戸時代へ。男鹿の歴史を お勉強すると必ず お名前を耳にする渡部斧松さんについての資料がありました。若美の方ですし、村の開拓に大いに貢献した斧松 翁の資料が これだけ充実しているのは当然と言えるでしょう!
おとなり潟上市の農業指導者・石川理紀之助が作成したカラフルな地図・・・のような「適産調べ」というのもの展示されていました。これは田畑の面積、土壌、どれだけ収獲があったか・・・などを細かく調べ、記したものなのです。「あそこの息子は病気の親の面倒も見て とっても孝行!」なんていうコトも調べあげています。(そういえば11月3日、石川理紀之助翁検定が ありましたね~)
男鹿の偉人コーナーだけじゃなかったー!
なんとあの「日本初!正確な日本地図を作製した」という伊能忠敬が秋田に来た時の「秋田測量日記」や男鹿を中心に描いた地図が展示されているんです!!!これは必見だわー
時代は おじいちゃん おばあちゃんの若かりし頃へ飛びます。
わー!イロリの ある お部屋が再現されています。このころに比べたら今の お家の方が ずっと暖かいんでしょうけど、室内温度ではない温かみが ありますよねー!(イロリ&薪ストーブのある暮らし経験済)
この入れ物カワイイー!つる草?と一緒に和柄のキレイな布を編みこんでオシャレに仕上げています。便利なだけじゃない、デザインも重視して生活用品を作っていたんですね。
「あくとぼっち」ってナニ?あくと(あぐど)というのは、かかと のこと。
ぼっち は帽子のように被るもののことですって!
つまり、こんなふうに かかと を覆い、わらぐつ と組み合わせて使う防寒具なんです。
メジロ?が描かれた美しい陶器。なんとコレ、お弁当箱なんですって!なんて贅沢なんでしょう!!いえ、実際に こんなの持たされたら、落として割ってしまわないか とっても心配!おちおち仕事もしていられません!美しすぎるのもモンダイですね・・・。
秋田藩の中だけで流通していた「秋田鍔銭」
刀の鍔じゃないの?イエイエ、久保谷藩主の刀を模して造られてはいますが、れっきとした貨幣なんです。
防寒草履でしょうか?ピンクのファーを あしらった このデザイン、今でも通用する・・・というか、むしろイケてます。
昔の人はワラを積極的に防寒や保温目的で使用していたようです。
おひつ を入れるための飯づめ(いいづめ)というものです。カゴやコダシに比べて厚めに作られていますね。
名前が よく似た「えいづめ(イヅメ)」というものも ありました。嬰児(3歳くらいまでの赤ちゃん)を寝かせておくためのものなので「嬰詰め」といいます。
八郎湖などで採れたモクという藻を嬰詰めの底に敷き詰め、その上に お布団を敷いて赤ちゃんを寝かせておくと、ふわふわ もこもこ で心地良いし、とっても ぬくいのです綿じゃなくて藻なので、おもらし しちゃっても交換が楽!この「モクのエヅメ」利点ばかりに見えるのに、どうして廃れちゃったんでしょう?
八郎潟で漁をしていた漁師さんが作った網。
・・・と網を編む「編み針」使いやすいように こういう形状の道具を作り出したんですねぇ。網に白い貝殻がついているのは何のためなんでしょう?
少し前までは、天草(テングサ)などの海藻類から心太(トコロテン)を自家製で作っていたそうです!これはトコロテンを押し出して細長く切るための「心太突き」という道具。下の四角い「心太流し」に煮溶かしたテングサを流し込み、固まってできたトコロテンを食べる都度 心太突きで切って食べていたんですって!
昔は ものづくり のための道具も、自分たちで考案したり、使いやすいように改良して一から作っていたんですね!先人たちの知恵と工夫・・・。資料館にいた2時間の間ずっと「すごーい!」と感心しっぱなしでした。
土地・地層、動物・植物などの自然、生活と文化・・・何万年も前からのヒトツヒトツが積み重なって、今の わたしたちの暮らしが あるんだなぁということを、実際に目で見て感じることができる貴重な資料が、ご紹介したほかにも 盛りだくさん展示されております。
学校の授業や子供会などの活動として利用する場合は入館料免除の制度も あるそうです。
すべての年代の方に訪れて欲しい!若美ふるさと資料館、オススメです。
所在地 : 男鹿市野石字大場沢下1-41
開館時間 : 午前9:00~午後4:00まで
休館日 : 毎週月曜日、国民の祝日(子どもの日、文化の日を除く)、年末年始
入館料 : 幼児 無料、小・中学生 50円(30円)、一般100円(60円)団体割引20名以上
TEL0185-46-4110 教育委員会 生涯学習課