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8月20日(土)男鹿市門前にある赤神神社。999段の石段の上にある五社堂に安置されている県指定文化財の「木造十一面観音菩薩立像」(江戸前期の僧 円空作)が、今年から年に一度だけ、8月の第3土曜日に一般公開されるコトになりましたー!

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あまりの嬉しさ&有り難さに、今日は駐車場からではなく、赤神神社の右わきから登ってみました。

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山門が見えてきました。

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この山門、よく長楽寺さんのもの?と誤解されてしまうそうなんですが、赤神神社は明治の廃仏毀釈で神社になるまでは お寺だったんですって!だから神社なのに山門や、蓮池や、今回公開された十一面観音菩薩立像があるんですね!

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男鹿の神々は「赤神」。白神山地の神々は「白神」。青森の竜飛岬に住む神々を「黒神」。この赤神と黒神は十和田湖の女神をめぐる、男鹿西海岸・孔雀の窟 伝説にも登場していますね。

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11時からの公開なんですが、10時前からすでに五社堂を めざして石段を登る方が多くいらっしゃいました。とても貴重なため普段は公開されていない円空仏ですから、張り切っちゃいますよね!多くの皆様より一般公開を望む声が多くあがったため、年に一度だけ公開することにしたんですが、円空の命日が7月15日。旧暦ですので、今の暦に直すとちょうど8月の今頃なので、8月の第3土曜日を公開日にしたそうです。

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五社堂に たどり着くと、すでに多くの見学者の方々が、元山宮司さんに解説を受けているところでした。

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円空作の十一面観音菩薩立像は東北で8体、そのうち秋田県で確認されているのは4体。円空仏というと もっと荒々しいものを思い浮かべる方が多いそうなんですが、五社堂に安置されている仏像は円空初期の作品で、とても なめらかで丁寧な仕上がりになっていますね。ろうそくや線香のススで色焼けもしていない、大変うつくしい仏像です。

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わたし正直仏像の魅力って よくわからなかったんですが、この十一面観音菩薩立像は目にした途端、手を合わせたくなる魅力がありました。お足下からは156cm。台座から頭頂までは約171cm。小さい仏像なんですが、なぜか大きく見えるのは台座のせいだけではないでしょう。材は「しなの木」です。

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五社堂の円空仏が こんなに良い状態で今まで守られてきたのは、劣化しないように、手を触れない。写真を撮らない。という お約束を みなさんに お守りいただいているからなんです。わたしは今回、特別な許可をいただいて、光を当てないように動画で撮影し、そのコマを切り取って、みなさんに貴重な円空仏を ご覧いただいています。

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像の表面が白くなっていますね。これはレプリカを作成した際、分離材が残ってしまったそうなんです!

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残念なことがもうひとつ。十一面観音ですので、本来であれば頭頂部分にも お顔が あるハズなんですが、悪い人に盗まれてしまったそうなんです!マッタク!!なんてコトするんでしょう!!!

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この美しい お姿を保ってこられたのは、環境の良さもありますが、ご覧になった方々の協力のおかげでもあるんです。五社堂の円空仏は来年も公開の予定ですが、是非みなさんにも お約束を お守りいただいて、何年先までも このお姿を保ちつづけていただきたい、と願っております。

問い合わせ:赤神神社五社堂 元山宮司
018-833-7132

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